アース製薬が販売している芳香消臭剤「スッキーリ」、あれはもっと売れていい。
いや、どのくらいのシェアがあるかはわからないけど、私のような一般人には、他社の「消臭○」や「消臭△」ほどの知名度がないように思えるのだ。
「消臭○」のような一般的な芳香消臭剤の場合、香りや消臭成分は上から出る。
しかし「スッキーリ」は下から出るのだ。
実際にこうやって使う。下の白い部分から芳香消臭成分が出る。
今から分子の話をしますが、難しくならないように極めて大雑把に言います。専門の人が聞いたら「ちょっと違うよ」ってなりますが、ご容赦下さい。
芳香成分の分子は、軽いので上に上に行きやすい。
出口が上にあると、いろんな成分が入った液体のうち、芳香成分だけが真っ先に上に行って空気中に拡散（拡散という言葉はSNSのおかげで一般化したね）してしまう。
新しい芳香消臭剤を開けても、香りが強いのは最初の2～3日だけで、残りの期間は香りがしないまま、消臭成分が働いてるのかどうか不明なまま、ボトルの中に残った無臭の液体が無くなるのを待つことになる。
「スッキーリ」は、上に行きやすい芳香成分を、下にあるろ紙に吸わせる構造になっている。
ろ紙に吸われた成分は拡散するが、吸われなかった成分はボトルの中に残る仕組みだ。上のものを下にするだけで、従来拡散し放題だった芳香成分をボトルに留めることができるようになったのだ。
※実際には「だけ」じゃなく、いろんな技術が介在していることと思います。
私の使用感としては、そりゃまあ開けて数日は香りが強く、その後は弱るけど、最後まで香りはある程度保たれています。従来品のように数日で香りがほぼゼロになることはないです。
リピート確定。
これ、めっちゃ画期的じゃないですか？
特許取ってるかなと思ってパッケージを見たんですが、なんも書いてませんでした。新規性に乏しかったのかしら。当業者が容易に想到し得る（特許業界の決まり文句、同じ仕事してる奴ならいずれ思いつくよってこと）と見なされたのかしら。
特許取ってるけどいちいち書いてないだけかしら。
「上のものを下にする」のは一見単純なことですが、なかなか思いつかないものですよ。「スッキーリ」はブレイクスルーをやってのけたんです。
凄いことです。
もっと売れていい商品です。
ネーミングやプロモーションの問題かもしれないですね。ネーミングのインパクトはどうしても「消臭○」「消臭△」にかなわない。CMやってたのは知ってたけど、「また新しい消臭剤出たのか」程度で、私の心には響かなかったし。
さて、勝手に一人で盛り上がってしまいました。
これをお読みの皆様、機会があったらぜひアース製薬の「スッキーリ」を買ってみて下さい。おすすめです。
尚、私はアース製薬の回し者でも社員でもありません。
※2024年3月3日追記……私がこれ書いて数年経ってから、本家アース製薬が「ボトルが上」っていう機能面を押し出したCMを始めたり、あちこちのトイレでスッキーリを見かけたりするようになりました。
私のおかげなので、アース製薬は私にスッキーリを1年分送るといいよ←念のため言っておきますがネタです。私にそんな影響力はありません。
