王様ホール

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お正月にはくじら汁

北海道の一部では、お正月に「くじら汁」を食べる。
大鍋いっぱいに作って、3日くらいかけて食べる。

ところで、日常、一度にごぼう4本をささがきにする機会はあるだろうか。
一度に大根1.5本・にんじん6~7本・板こんにゃく3枚を20×15×4mmの短冊切りに、キャベツ2個をざく切りに、瓶詰めで保存していた一握り分の姫竹を薄切りに、一握り分のフキやワラビを小口切りにすることは。

これらを、大人が一抱えするくらいの大鍋に、煮干と昆布の出汁と、短冊切りの鯨の脂身と共に入れて煮込む。醤油ベースの味付けをし、途中で3丁の木綿豆腐を崩して入れる。
鯨の脂身には独特のクセがあるが、まろやかな脂が数々の具材に染み込み、全体を支配する。

くじら汁はまずお節料理と共に、集まった親戚にも振る舞われる。次の日とその次の日、計3回くらい食べると、あれだけ大量に作ったのにもう無くなっている。

私は、くじら汁の仕込みの手伝いをしたいがために年末に帰省するのだ。大量の食材の下ごしらえは非日常的感に溢れ、ワクワクする。
母が健在で私が実家に帰る機会があるうちに、できるだけくじら汁の仕込みの手伝いをしたい。
そして毎年くじら汁を食べたい。
 
#地元の味 #北海道