先日、小学生息子が学校で、本気鬼ごっこ中に転んで軽い怪我をしました。膝をすりむくと共に脛をぶつけたそうです。
保健室で手当てをしてもらったそうです。
学校から帰って怪我の話をしていたとき、息子に、「べんけい……の何とか、って何?」と聞かれました。
ああ、それは「弁慶の泣き所」だね。
脛の痛いところを「弁慶の泣き所」って言うんだね。息子は初耳だったんだね。
だから私は息子に説明をしました。
「むかーしむかし、京都の五条大橋っていうところに、弁慶っていう暴れん坊のお坊さんがいたんだ。弁慶はでっかくて強くて、その橋を通る武士を倒して刀を奪ってたんだって。それで、刀を999本集めたときに、牛若丸っていう人がそこを通ったんだって。あ、その牛若丸ってのはヨシツネ(※)の子どものときの名前ね。そう、あのヨシツネ。昔の人は大人になると名前変わるからね。で、牛若丸が通りかかったとき、弁慶が『お前の刀でちょうど1000本目だー!』って言って刀を奪おうとしたんだけど、牛若丸は弁慶の攻撃をひらりひらりと避けて、弁慶を倒しちゃった。それ以来、弁慶は牛若丸(ヨシツネ)の家来になって、死ぬまでヨシツネを守ったんだよ。
ヨシツネはすごい人だったから、お兄さんの頼朝・日本で一番偉い人になる頼朝って人に妬まれちゃって、頼朝はヨシツネのことが邪魔になっちゃって、ヨシツネを殺そうとして兵を差し向けたんだわ。そんで、弁慶は、逃げるヨシツネを最期まで守って死んだの。
そんなでっかくて強い弁慶でも、脛のところをやられると痛くて泣いちゃうから、脛は『弁慶の泣き所』なんだよ!!!」
私の説明は以上です。多分納得してもらえたと思います。
よく考えると、弁慶が実際に脛を攻撃されて泣いたとかいう逸話は確認されないので、脛と弁慶ってあんまり関係ないんだよな。
その後、息子が「弁慶の泣き所」を初めて聞いたことを夫に話したところ、夫も私と同じ説明を息子にしていました。内容、全く同じでした。確認作業。
そこまで説明したのに、それから数時間後、寝る前になって息子が言ったのは、
「あれ、誰の泣き所だったっけ、大五郎?」
でした。
誰だよ大五郎。保健室の先生も弁慶って言ってただろ。
その日以来、うちでは、向こう脛の名称は「大五郎の泣き所」です。
※ヨシツネ
女神転生D2(スマホアプリゲー)に、「ヨシツネ」ってキャラが出てきます。源義経に他なりません。息子はそれを知ってたので、源義経の説明が通りやすかったです。