王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

ぞうさんの成功 きりんさんの失敗

童謡「ぞうさん
誰でも知っている。おそらく日本人の9割以上が知っているのではないか。
 
童謡「きりんさん」
というのもある。「ぞうさん」ほど一般には知られていない。子どものために童謡のCD等を買った人なら知っているかもしれない。そのくらいの知名度ではないだろうか。

まあ歴史の古さの違い等あるかもしれないが、万民に受け入れられる歌詞であるかどうかの違いが一番大きな差ではないだろうか。
それではご覧頂こう。
 
ぞうさん
ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね
 →事実
そうよ 母さんも長いのよ
 →事実
ぞうさん ぞうさん 誰が好きなの
 →疑問提示
あのね 母さんが好きなのよ
 →人間ならいざ知らず、おっぱいや餌をくれて世話をしてくれて守ってくれる母さんを嫌いな動物などいない、よって事実
 
このように、「ぞうさん」の歌詞は全てが事実から成っている。
では「きりんさん」はどうか。
 
「きりんさん」
きりんさん きりんさん どうして お首が長いの
 →事実
あっちのお花も見たいし こっちのお花も見たいし
 →事実とは異なる、キリンはお花を愛でる脳味噌を持っていないはず
だから お首が長いの
 →お花が見たいと首が伸びるのか?まるで説明になっていない
 
「きりんさん」は3番まであるけど、どれもこれも事実と異なるので略する。ちなみに2番は脚が長い理由、3番はまつ毛が長い理由を歌っているが、いずれも愚にもつかない歌詞で全てが事実と異なる。
 
「きりんさん」は一見メルヘンチックな歌詞で子どもに寄り添っているようだが、全てが欺瞞である。「こんなこと言っとけば子ども喜ぶだろ」みたいな大人のエゴが見える。
その点、「ぞうさん」は全てが事実から成っている。子どもに対しても嘘をつかず、真摯に向き合っている。
アンパンマンのマーチ」もそうなんだけど、下手に子ども向けの詞を作ると子どもを馬鹿にしているようだから敢えて子ども向けにしなかったということだろうか。

時代を超えたロングヒットの秘密を知ってしまった気がした。
 
敢えて真剣に考えました。ある種の思考実験。