王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

キャベツ

タグ「ヤッセイ」……以前あった「ShortNote」というエッセイ投稿サービスにて期間限定で開催されていた、野菜に関するエッセイコンテストのために書いたもの。

 

キャベツって、元は西洋野菜なのに、日本の食卓への溶け込みっぷり半端ないと思いませんか?
西洋出身のくせに、浅漬けや味噌汁などになってスルッと日本料理に入り込んでる。北海道の正月料理「くじら汁」にまで入ってる(我が家のレシピでは入る)。

北海道では、年配の人がキャベツのことを「かいべつ」って言うが、このようにキャベツを表す方言まで存在するほど馴染んだ野菜である。

キャベツの溶け込みっぷりは、例えば、4月に転校してきたばっかなのに5月にはすっかりクラスに馴染んでて、「なんか、昔から一緒に遊んでたみたい」って言われるような子である。クラスの中心的なグループに、自然に入ってる。
 
昔っから同級生なのにいまいち馴染めてないマイナーな和野菜、例えば「くわい」とか「きゃらぶき」とか「うるい」みたいなやつは、影が薄くて、卒業後に「そんな奴クラスにいたっけ?」って言われる存在である。但し、その子たちもそれぞれに個性を持っているのだが。

キャベツは違う。転校生なのにたちまちメジャー野菜にのし上がった。
 
栽培しやすさと、料理への応用のしやすさと、あとは見た目の可愛さも関係するかもしれませんね。キャベツ、丸くて大きくて可愛いもん。断面も美しいもん。

日本の比較的冷涼な地域がキャベツ栽培に向いてて良かったね。
植物は、生まれた地域ではなく生育に適した地域で勢力を拡げるものだ。気候的にも嗜好的にも、キャベツは最初から日本に馴染むべき存在だったのだ。
 
もしかすると、「Cabbage」は西洋野菜だが、「キャベツ」は日本の野菜なのかもしれない。発音も全然違うもんな。
 
そのくらい、今や日本の食卓に欠かせない存在になっている。
いっぱい買っちゃったから、どうやって食べようかな。
明日は味噌汁にしようかな。