今日、小4娘が、YouTubeで見かけたとか言って、「トロッコ問題」のことを話題に出してきた。
線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。この時たまたまあなたは線路の分岐器のすぐ側にいた。あなたがトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でも男性が1人で作業しており、5人の代わりに１人の男性がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。あなたはトロッコを別路線に引き込むべきか？
という、明確な答えがない思考実験。有名なやつである。
90%の人が、1人を犠牲にして5人を助ける道を選ぶそうである。
私は、「娘ならどうする？」と聞いてみた。
娘は、「なんもしない」と答えた。
えっとね、親バカなことを言うけど、小学生にして「なんもしない」を選ぶの、凄くない？
トロッコ問題って、二択で考えがちじゃない？なのに、二択以外の答えがサラッと出てくるの凄ない？凄ない？
※完全なる親バカでございます。
※みんなも、もっとオープンに子ども自慢をすればいいと思うんだ。世の中が少し明るくなる。
娘から理由を詳しく聞いて、要約すると、なんもしないのは「責任を負いたくないから」らしい。
いやー凄ない？そこまで考えてんのよ、この子。責任の重さをわかってんのよ。軽々しくレバーを動かさないのよ。
責任から逃れるのは卑怯？馬鹿を申すでない。この局面で何らかの責任を負う度胸のある人は、はっきり言って超人ですよ。私にはできない。
ちな私の答え↓（初期に私が書いたやつ）
なんもしません。娘と同じです。だからこそ娘の答えを聞いて感心したんです。
いや、演技はします。なんもしない自分を正当化するための演技をします。責任放棄に自己正当性を与えます。
そこまでしないと、私は、どちらを選んでも選ばなくても自分を責めてしまいます。だから、責任を、自分以外の「物」に全部かぶってもらいます。
娘も、「もし誰かが見てるなら、お母さんと同じ演技をする」って言ってました。
あと、「もしどちらかに家族や親族がいたら、そっちを助ける」と言ってました。命の選択～♪
茶化すところではないけど、実際そんなもんじゃない？
ま、トロッコ問題は「命の価値は全員等価」という前提の上に成り立ってるところがあるので、家族云々を論じるのはナンセンスですね。
娘はもう、もうというか最初から、一人の独立した個人なんですね。
自分の頭で考えて自分なりの結論を出すことができるなんて、凄いよ。10年前は赤ちゃんだったのになあ！
あとこれは裏技なんですけど、ポイント切り替え装置、半分だけ切り替えればトロッコが脱線して、全員助かるみたいです。よく考えてみれば、原理的にそうだな。
トロッコ問題はそういう問題ではないんですけど、もし初見で「半分切り替え」の答えを出した人がいたら、その冷静さと知能を絶賛したい。Dr.STONEの千空なら、秒でこの答えに到達することでしょう。
今日は、娘とこういう知的な会話ができて楽しかったな。
最近、娘とはだいぶ対等に会話ができるので、ほんと楽しい。
