王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

居ながらにして山菜

夫の趣味はガーデニングと家庭菜園である。が、正直なところ、そう言えるかどうかは少し怪しい。

通常、家庭菜園のある庭と聞けば、トマトやきゅうり等の野菜を片隅に作り、季節の鮮やかな花を計画的に植えている庭をイメージされることだろう。しかし、我が家の庭は少々趣が異なる。

牡丹の花壇、ミニトマトやネギの畑のような普通の区画はある。
しかし、生け垣が「うこぎ」だ。棘があって防犯用の生け垣にうってつけの低木だが、新芽は食べられる。天ぷらにしたり、刻んで塩揉みにしてご飯に混ぜたりする。
うこぎの生け垣の側には、たらの木がある。たらの芽は、言わずと知れた山菜の王様。これも摘んで天ぷらにする。
別の区画には、こごみやミョウガも植えてある。ミョウガのある辺りは、シダや山百合で鬱蒼としている。
 
山の出身である夫は、平地の住宅地の一部に故郷の山の風景を再現しようとしているのではないだろうか。
昔は山に行って採っていた山菜を自宅の庭で採れるようにして、その味をいつまでも変わらず楽しめるようにしたのではないだろうか。
 
その試みは成功しているようだ。
おかげで私も毎年、家に居ながらにして山菜の天ぷらが食べられる。嬉しい限りである。