子どもの頃から私は気付いていた。
敵は「帝国」で、主人公サイドは「共和国」とか「防衛軍」とか「反乱軍」なのである。たまに「解放軍」つーのもあるな。
とにかく「帝国」は決まって敵勢力だ。
戦隊ヒーロー、SF、ファンタジー、色んなジャンルのアニメ、ゲーム、小説などフィクション作品において、「帝国」が出てきたらそれはだいたい悪なのだ。
「帝国」が描かれる場合、決まって独裁者がいて、そいつが悪の根源である。絶対的な権力や戦闘力を持っている。たいがい恐怖政治を行っている。敵勢力のキャラはその独裁者に平伏し、また独裁者を崇拝し、恐れてもいる。
主人公サイドは、その独裁者を倒すことが最終目標だ。
一方、主人公サイドには、リーダーはいるが決して絶対的ではない。そのリーダーに対して、尊敬はあっても恐れはない。
主人公サイドは、みんなで力を合わせて、帝国の独裁者を打倒すべく日夜頑張っている。
なんでこういう図式が好まれるのかというと、もう第二次世界大戦とそれに端を発したアメリカ映画が原因としか考えられない。
連合国=正義。
枢軸国=悪。
アメリカを始めとした連合国側から見て、自勢力を正義とした場合、ナチスドイツ(=第三帝国)や大日本帝国などが悪に見えたんではないかな。
映画の代表的なのはスター・ウォーズだ。ダース・ベイダー率いる帝国が悪。ルークとかジェダイの人たちが正義。
※スター・ウォーズちゃんと知らないくせに言ってます。
アメリカの映画ってやつは、仮想敵国を設けてそれと戦うやつが多いです。冷戦時代だと、敵は決まってソ連。今はどうなんでしょ。
アメリカはいいよ。自分とこの国を正義にしたい場合、独裁国家≒帝国≒共産主義を悪に仕立て上げればいいんだから。
なんで枢軸国側だった日本のフィクション作品まで、その図式をなぞってるんだろうね。
敗戦でアメリカナイズされちゃったから?
単純に、スター・ウォーズが大ヒットしたせい?
とにかく、「帝国=悪」はあまり疑問に思う人もいないほどステレオタイプになってしまったということを、皆様に知って欲しい。
話は変わりますが、正義の独裁者っていないんですかね。なんか今までに現れた独裁者、だいたい悪に区分されてるから。
真に聡明で、私利私欲のためではなく真に国民のためを想う政治を行い、自ら行動で示す独裁者。
そんな立派な人がもしいたとしても、敵対勢力からあることないこと言われて、重箱の隅をつつかれて、悪者にされて、なんかどうでもいいことで辞職に追い込まれちゃうのかな。
私なんぞは自我が強いわりに自分に自信がないので、正しい独裁者が私の人生決めてくれるならホイホイついてっちゃうよ。
他人の敷いたレールの上を歩きたい(わりとマジで)。