王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

「妹1のカセット」

私は子どもの頃、女の子向けアニメが好きではなかった。
男の子向けアニメや特撮ヒーロー番組を好んで視聴していた。今で言うヒーロー能力系バトルが好きだった。但し、ロボット系にはあまり興味が湧かなかったので、スーパー戦隊は巨大ロボ戦になると少しテンションが下がってた。

歴代スーパー戦隊と、再放送のウルトラマンシリーズと、キン肉マン北斗の拳が好きだった。ドラゴンボールは微妙。

母をはじめ家族は、私の趣向を否定しなかった。特に「それは男の子向けだよ」とか言われたことはなかった。ありがたいことだ。
現代では、男の子も女の子もどんなものに興味を持ったっていいみたいな風潮ができつつあるけど、私の子どもの頃・40年以上前は、それは当たり前ではなかった。そんな時代に子どもの好きを否定せず生温かく見守ってくれた母には感謝しかない。

私には妹が2人いるが、三姉妹の真ん中・妹1は、私以上に男の子向けコンテンツを好む子だった。彼女はロボット系にもバリバリ興味があった。

スーパー戦隊などを一緒に観てたけど、彼女の趣味は私の影響ではないですね。
妹1は、私以上に我が道を行くタイプだから。
三姉妹の中で最も頭が良く、最も頑固でマイペース、最もオタク。
彼女は自分から男の子向けコンテンツにハマりに行ったのだ。
もちろん、母や家族はそれを否定しなかった。

ある時、父か母か叔父か忘れたが、誰かが妹1のためにカセットテープを2本買ってきた。
1本目は、歴代ウルトラマンシリーズ(初代マン~タロウまで)のOPと挿入歌が全て入ったやつ。当時レオ2期目OPを聴いた記憶がなかったので、タロウまでだったと思う。
2本目は、当時の男の子向けアニメの主題歌集。「戦国魔神ゴーショーグン」「ゴールドライタン」「サイボーグ009」「聖戦士ダンバイン」「最強ロボ ダイオージャ」など、なんか色々入ってた。
「ラジカセでカセットテープを聴く」ことは当時の一種の娯楽だったので、その2本のカセットは繰り返し聴いたものだ。尚、ファミリーコンピュータ・略してファミコンが登場する前の時代だ。

つい先日、私と同年代である夫がスマホで懐かしのアニメソングを流しててさ。そうすると、私が昔聴いたことある曲が次々流れるわけですよ。そして、ある程度一緒に歌えるんですよ。
「あーー! ♪ ゆーくぞ黄金戦士 ゴールドライッターーン ♪ !」
「それ!ザブングル!じゃなくてダンバイン!!」
「♪ サイボーグ戦士 誰がために戦う~ ♪ !渋い!!」

これって全部!「(妹1)ちゃんのカセット」に入ってたやつだ!!
※「進研ゼミでやった所だ!」のノリで言います。

夫には説明したので、「(妹1)ちゃんのカセット」で話が通じるようになりました。


親には感謝ですな。男の子向けコンテンツに対する私や妹の興味を否定したり、女の子向けコンテンツに誘導したりしなかった。
それが関係あるかどうかはわかりませんが、私も妹1も、分野は違えど理系科目に興味を持ち、他県の大学に進学しました。私の地元のような絶望的な田舎では少数派です。

趣味も進路も、一切否定されることがなかったので、今、好きなように生きてます。
なんか本当に、総合的にありがとう。親。
母は結果的に地元(実家から車ですぐ行ける距離)に残った妹2のことを一番可愛がってると思うけど、それはしょうがない。逃げるように家を飛び出して二度と返ってこない私や妹1より可愛くてもしょうがない。※1~2年に1度くらいの頻度で帰省はします。
特に私は「糸の切れた凧のよう」と形容されたことあるよ。
すんませんね。てへ。

 

【おまけ】
5年くらい前かなー、娘がポケモン好きでゲームをやり込んでいることを、世間話の一環として、同い年の同僚に話した。
そしたら、「ポケモンって男の子がやるやつじゃないの?」って言われた。
私は、「今どきこういうこと言う奴いるんだ」と思った。
彼の親は、コンテンツの男の子向けとか女の子向けとかをすごく意識する人だったんだろうか。
彼の娘さんは、男の子向けとされるものに一切興味を抱かなかったんだろうか。
彼の娘さんが男の子向けとされるものに興味を抱いたら、彼は「それは男の子のやつじゃないの?」とかいちいち口出しをしてたんだろうか。

うちは口出しされなくて本当に良かったなー。
もしかしたら親は内心困ってたかもしれない。