王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

炊事遠足にあまりまつわらない思い出

お題「地元では当たり前のものなのに、実は全国区ではなかったものってありますか?」

 

初めて「お題」にチャレンジしてみます。

日本という国は全国どこに行ってもその地方その地方の文化があるものですが、北海道は特に多いんじゃないかなあ。知らんけど。←この言い回しは関西風。

北海道のあれこれは、色々ありすぎて、そういうのをまとめたサイトとかもあります。

例:

北海道ファンマガジン | 北海道観光情報メディア

↑これ見て思い出した。北海道での絆創膏の言い方は「サビオ」よな。但し、これは家庭による。うちでは「カットバン」優勢だった。家族で唯一、祖母のみが「サビオ」って言ってた。バンドエイドとかは言わない。


ほんと色々あるよ北海道独自のものは。
焼きそば弁当、ラムしゃぶ、ガラナ飲料、リボンシトロンなどのフードやドリンクは序の口。
序の口だけど、私は、内地で焼きそば弁当が売ってなかったことにカルチャーショックを受けたものだよ。東北だったから「焼きそばバゴーン」という類似品が売っててまあまあ助かったけど、道民は、麺のゆで汁で作るあの中華スープでないと満足できないんですよ。敢えてお湯を線より少なめに入れてゆで汁をスープにきっちり使い切るチャレンジを、毎回やってました。これは私だけかもしれません。
ガチで、焼きそば弁当は道民のソウルフードなのです。

あと、北海道の百人一首は、下の句だけを歌うように読んで、下の句だけ墨書きされた木製の取り札を取ります。取り札が木なんです。
読み札に書かれた上の句はほぼ無視。初めだけ上の句から読む。
道外に出たことない人で「ちはやふる」などを知らない人は、全国でアレだと思ってるんじゃないかなあ。私もそうだった。


さて、「咄嗟に出てしまった方言が通じない」「焼きそば弁当が売ってない」「しゃぶしゃぶの肉がラムじゃない」等の他に、「炊事遠足は北海道独自の文化だった」というカルチャーショックがありました。

炊事遠足。それは、炊事を伴う遠足のこと。宿泊しないキャンプみたいなものですね。
学校行事です。各自、材料や調理器具を持って、集団で目的地(だいたい地元のキャンプ場)に歩いて行きます。
着いたら、火を起こすことから始め、あらかじめ班ごとに決めておいた料理を作ります。
小学生のやることなので、作るものはだいたい豚汁とかカレーとかジンギスカンですね。
私が東北地方に進出して、「芋煮会」の概念を教えられた時は、「炊事遠足じゃん」と思いました。芋煮会は広義の炊事遠足です。←東北地方の芋煮ガチ勢に絶対怒られるやつ。

大学時代はなぜか炊事遠足のことを直接誰かと話すことはなく、芋煮会を「大人もやる炊事遠足」と位置付けていたため、私は炊事遠足が北海道独自の文化だと気づくことができませんでした。

社会人になって数年後、キャンプ場で豚汁を作るという会社行事があり、同僚に「それって炊事遠足だねえ」みたいな話をしたら、「炊事遠足?」と、心底不思議そうな顔をされました。
※今はこういう行事はないけど、昔の我が社はアットホームな濃色企業(ブラックまでとは言わん)だったんですよ。年々白くなってます。

同僚「炊事遠足ってなに?」
私「え、炊事遠足、知らないの?遠足でキャンプ場とか行って料理作るやつ。」
同僚「キャンプ?」
私「キャンプではない。日帰り。」
その同僚は関東出身だったため、芋煮会との類似には言及されませんでした。

……そんな会話をした日の夜、北海道に住む妹に携帯メール(当時はスマホもLINEも無い時代)を送りました。「炊事遠足ってどうやら北海道だけの行事らしいよ」、と。
妹は「マジか」って言ってました。やっぱり知らなかったようです。
そこから、妹と、炊事遠足についてメールの往復が始まりました。
私が妹にメールを送ってからすぐに、メール着信がありました。
「早いな」と思って見ると、そのメールは妹でなく母からで、「癌で入院中のおばあちゃんが危篤になった、すぐ帰ってきて」というものでした。

「番組の途中ですが臨時ニュース」みたいなタイミングでした。
妹と、「おばあちゃん危篤!」「炊事遠足どころじゃねえ!」ってなりました。
尚、おばあちゃんは、私が実家に帰って2~3日後に亡くなりました。孫バカで心配性で、絆創膏を「サビオ」って呼んでいたおばあちゃん。

 

こんなことがあったので私は、「炊事遠足は北海道独自のもの」というのを見聞きする度に、妹とメールのやり取りをしてる途中に割り込んで来た母からのニュースを思い出してしまうのです。
炊事遠足が全国区でなかったばっかりにインパクトを増してしまった、おばあちゃん危篤事件。