王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

田中達也ミニチュア展~芸術鑑賞というお題目

最近は長期休みでもないのに子どもたちのお弁当日が続いて、疲弊していました。慣れないことをするといつもこうだよ。

だから少し前の話になるんですけど、

miniature-calendar.com

田中達也さんのミニチュア展が6月2日まで福島市に来ていたので、家族みんなで行ってきました!

(あとあとリンクが切れてたときとかのために写真を1枚貼っておく)

これはご飯の食品サンプルを雲に見立てて飛行機のミニチュアを飛ばせている立体的な作品。影まで含めた展示。
このはいくらでも写真撮影/SNS投稿OKのだったので、遠慮なく写真を撮りまくってきました。
SNSじゃなく個人ブログへの投稿で申し訳ないな。しかも私のブログなんか影響力ゼロに等しいのに。

田中達也さんは、こういった食品サンプルだとか文房具、衣類、その他身の回りのいろ~んなものを何かに見立てた作品を作るミニチュア作家です。私はTwitterにたまたま流れてきたやつで存在を知りました。
作品タイトルが全部ダジャレなので、私は最初「うーん」と思ってたけど、その「うーん」を払拭するくらい、発想が素晴らしいです。

 

いくつか貼るよ。

なんかブラシを刈ってるやつ。
(正直、タイトルにはあまり興味がないので、ほぼ覚えていません。)

 

タイトルは確か「カガミンゴ」だったかと思う。ファンデーションの上につけられた足跡がかわいかったので撮影。向こう側にも写真撮ってる人いますね。

「オスシティー」。
積み重なった皿は高層ビル、箸は橋(これもダジャレか!)。
レーンの上を走ってる寿司カーは動いてるんですよ。これがこの展示会の目玉展示その1だったと思います。でっかいんですよ。

 

ここからは福島会場限定展示コーナー!

桃源郷」。
福島といえば桃。桃といえば福島、でないのが辛いところであるが、福島の桃は美味しいですよ。

 

タイトル忘れたけど、スパリゾートハワイアンズをイメージした作品。これは写真だけの展示でした。


そしてお待ちかね、今回の目玉展示その2!

タイトル「来たかったラーメン」。

喜多方ラーメンをモチーフにしてることは言わずもがな。
スープは猪苗代湖、チャーシューの山は磐梯山
なんか、我らが郷土へのリスペクト?理解?を感じて、嬉しくなります。
私は福島県出身ではないんだけど、最早福島県に住んでる年月の方が長いし夫は福島県出身、子どもたちも福島県生まれだから、私も嬉しくなってもいいよね?

↑ここだけ拡大して見るとラーメンに異物混入案件。

 

この田中達也ミニチュア展、最初は私と娘と2人だけで行こうとしてたんですよ。下の息子はこういうのを喜ぶかどうかわからなかったし、夫は心底興味なさそうだったし。
前日くらいになって、心配性の夫が、私を土地勘のない知らない場所に行かせるのが不安になったらしく(夫はこの会場周辺の土地勘がある)、家族全員で行くことに決定しました。
別にいいのに。
私は大人で社会人なので、土地勘のない知らない場所に車で出張行ったり、知らない電車に乗ったりしてるんだぞ。ナメやがってこの野郎。女子供には人権や人格がないと思ってる昭和以前のマッチョイズムかこの野郎(←そこまでではないです)。

まあ、でも、家族で行くのも楽しいかなと思ったし、夫が展示を見たあと近くの観光地にも行こうって提案してくれたので、全員で行きましたよ。

いざ行ったら、夫も息子も「すごく面白かった!」って言ってました。
でしょー?でしょー?
「実物」はすごいんだよ。百聞は一見に如かずって言うけどそれと同じで、写真で見るのと実物を見るのとは違うんだよ。実物からしか伝わってこないものがあるんだよ。私は田中達也さんのミニチュアの実物を見るのは初めてだったけど、「やっぱり実物はいいなあ」と思ったよ。

 

ここからは蛇足でもあり本題でもあるんですが、私は娘(と、ついでに後から参加が決まった息子と夫)に、「本物」を見てもらいたかったんです。
いやらしい親のエゴなんです。「子どもたちを芸術に触れさせたい」「子どもたちの情操教育に良いだろう」「ほうら、おべんきょうになっただろう」ってやつ。

こういう田舎に住んでると、大きなものから小さなものまで含む「芸術」にアクセスできる機会があんまり無いんですよ。ちょっと足を伸ばせばいくつか美術館とか博物館とかあるけど、普段何が展示されてるかよくわかんないので、お金出してまで行ってみようとは思わない。
あ、猪苗代湖周辺にある「諸橋近代美術館」はサルバドール・ダリの作品が常設展示されてて、あそこはいいですよ。あんな片田舎で、本物のダリの絵が見られるんですよ。生ダリですよ生ダリ。あたしゃダリの変態的な筆致の細かさに、「これが人間業なのか」とすっかり圧倒されたもんですよ。今度行ったら蟻のマグカップ絶対買う。

よく考えりゃ、本物オブ本物をわりとすぐ見に行ける環境だった。


脱線しました。

ダリもいいんだけど(私は大好きだけど)、そういうのとはまた違う、身の回りのものを別のものに見立てて新しい世界を作る田中達也さんのミニチュア展、これは子どもたちを芸術に親しませるのにうってつけだと思ったんですのよね。
「こんなのもアリなんだー」「これスゲー」「おもしろーい」を感じられたら大成功。娘は楽しむだろうと思ったけど、息子が一番「すっごいおもしろかった!」って楽しんでた。ついでに全く興味なさそうだった夫も「これすごいねえ」って感心してた。

私の目論見、大成功。←いやらしいな。


よく学校行事で「芸術鑑賞」とか言って演劇を見せられたりするイベント、あるじゃないですか。大人側のエゴの押し付け。子どもだった私は心底無関心で、ほとんど記憶に残ってない。「なんか劇見たな」「大人の演技ってやけに大げさだな」ぐらいの印象。
そのエゴの押し付けを、私は今回子どもにやったんです。

やってみた結果、芸術鑑賞の機会は必要だなと思った。
今回は子どもが面白がっていたので成功だったけど、子どもが興味を持たなかったとしても、それはそれで成功なのだと思う。
何も印象に残らなかったとしてもうっすら記憶に残るので、あとあと何かしらのきっかけになるかもしれないから。

これ↓と同じです。

yamakinkin.hatenablog.com

機会は多ければ多い方がいいし、田舎の子は都会の子と比べてあらゆる機会に乏しいなって話。