王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

下衆の勘繰り

ついに息子に、入学前集団検診のお知らせが来た。小学校に上がる前の子どもたちの健康状態やら視力やらを確認する、自治体の事業だ。
今年はどうかわからないが、上の子のときは、子どもたちが検診を受けている間、保護者は体育館に集められて、ある講演を聴いた。
数年前のことになるが、私はそれを思い出すたびにモヤモヤしてしまう。

演題は「PTA活動との上手い付き合い方」みたいなやつだった。正確にはそんなバカみたいなタイトルではなかったけど、思い出せない。講演内容の前にはタイトルなど最早無意味だったからだ。「PTA」という文言は入ってた。

講師の方のお名前がちょっと変わっているなと思ったら、日本より遥か南・オセアニアの島国出身の女性の方だった。

講演内容を要約する。

・講師はオセアニアの島国で暮らしていたところに、日本人の旦那さんと出会って結婚した。
・旦那さんは、世界を飛び回るお仕事をしている方だった。
・日本に連れて来られ、旦那さんの母親の介護を余儀なくされた(!?)。
・しかし旦那さんは相変わらずいつも世界を飛び回っていた。

ん?PTAの話は?

・子どもを授かった。
・子どもが小学生になり、クラス懇談会か何かで、PTAの役員決めがあった。
・しかし日本人の親御さんは誰も役員をやりたがらず、みんな下向いて黙ってた。
・講師は「私がやります」と手を挙げた。
・先生に「いや、(外国出身の)あなたでは難しいと思います」とか言われた。
・講師は「でも誰もやらないんでしょう、だったら私がやります」と言った。

んで結局PTAの役員をやったようだ。
正直、その講演中、PTAの話はこれだけだったように思う。

その後の講演を要約。

・旦那の母親の具合が悪くなってきた。
・車がないと通院もままならないので、運転免許を取ろうと思った。
・教習所で「(外国出身の)あなたでは難しいと思います」とか言われた。
・でも努力して免許を取った。ものすごく役に立った。
・その他、色々な苦労話と自慢話。

いや、素晴らしいですよ。
南の国とは気候も言語も文化も風習も違う日本に連れて来られて、旦那の母親の介護をして、子育てもして、PTA役員まで引き受けて。
その間、旦那さんはずっと海外を飛び回っててさ。
尊敬に値しますよ、本当に。大いに自慢してもいいです。誇っていいです。

でも、それ、入学前集団検診の合間の講演に相応しい話だったか?

講演自体は本当にいい話だったんですよ。私がこんなに覚えてるくらいに。
講演内容とタイトルとが合っていればもっと良かったんですけどね。「PTAの話をしろよ」と思いましたからね。

それより何より、講師の方、最初っから旦那さんの母親の介護のために日本に連れて来られたのでは……?
旦那さん、自分が海外を飛び回るお仕事をされる際に、母親の介護の人手が必要だから、南の国のお嬢さんを迎えたのでは……?
という下衆の勘繰りをしてしまいましたよ。
すごく悪い言い方をすると、講師の方、旦那さんに騙さr(以下略)

ん゛っ。ゲフンゲフン。
愛し合っている夫婦で、納得ずくならば、周りが何も言うことはないです。

講演を聴いてた同じ園のお母さんたちと感想を分かち合おうと思ったけど、ダメでした。
「こんな長い時間(たしか1時間くらい)話を聞くことってないから、ひたすら退屈だったー。」
「寝ちゃったー。」
「講師の出身地、聞き取れなかった。何て言ってたの?どこ?」

どうやら、真面目に聴いてたのは私だけみたいでした。
聴けよ。

今日、その講師の名前で検索したら、なんか精力的に何らかの活動をして生きていらっしゃるようでした。
本当に、尊敬に値します。「精力的に生きてる」という一点だけ取っても、尊敬しかありません。