王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

飽きたくない

音楽が好きで、通勤時間によく聴いている。
アルバムに換算して約200枚分もの楽曲が、ちっぽけなiPodに入っている。年々増える一方である。
 
ほとんどがお気に入りではあるが、中でも特にお気に入りのアルバムが5枚くらいある。
それらはヘビロテ確定とお思いかもしれないが、ある程度以上楽しんだら、以降は全く聴かなくなる。
その状態になったアルバムは、「殿堂入り」と呼ぶ。

私は、大好きなアルバムに飽きたくないのだ。
飽きたくないとか言いつつも、既にちょっと飽きてから聴くのをやめている。けれど、完全に飽きる前の段階、「聴きたいな」と思える段階で寸止めすることによって、大好きなアルバムの魅力が完全に色褪せるのを防ぐことができる。
中年になってからのアンチエイジングにも似た、虚しい努力である。
 
人によっては全く理解できない努力であろう←アンチエイジングじゃなくて私の殿堂入りアルバム封印の方ね。
好きなんだったら好きなだけ聴き倒せばいいじゃんと思う人もいるだろう。

それでも私は、私の中で殿堂入りしたアルバムを、そっと封印するのだ。
いつか我慢できなくなって、「ああー!やっぱりあれ聴きたい!久しぶりに聴きたい!」という気持ちになった時のためだ。
久しぶりに聴いたそのアルバムは、初めて聴いたときの新鮮な感動までは蘇らせてくれないまでも、「やっぱこれいいわ!これだわ!ただいま!そしておかえり!」という気持ちにさせてくれることだろう。
 
唐突に話は変わるが、去年実家からもらったイクラの残りを冷凍保存したまま出し惜しみしてたら、今年のイクラが届いてしまった。イクラ大好き。
去年のイクラ、冷凍ヤケしてないだろうか。
今年のイクラの残りと去年のイクラ、どちらを先に出すべきだろうか。
 
封印していたアルバムも、久しぶりに聴いたら「今聴くと古いな……もっといいアルバムあるな」ってことになったりして。
いや、音楽はイクラではない。食品ではなくmp3データなのだ。保存中にそれ自体の品質が変わることはない。
変わるのは、聴く側の方だ。
 
特にオチとかないんですけど、私が変なこだわりを持って音楽を聴いていることをおわかり頂けたでしょうか。
音楽を、愛しているから。
愛しているものをずっと愛するために、距離を置くこともあるんです。
対象が人間じゃなくて、本当に良かったです。