王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

タイムスリップ物って

今期はドラマ「テセウスの船」が面白い。

あ、私、原作も読まずネタバレも避けて純粋に楽しんでます。私に(偽であっても)ネタバレした奴は、励ましのお便り欄(註・私がはてなブログに引っ越してくる前にいたShortNoteという場所におけるコメント欄の名前)に一日一文字ずつ150日以上に渡って嫌がらせのコメントしてやりますからね。ほんとにやるからね。逆にそれ目的で私にネタバレしないでね。あと、ネタバレしてすぐお便り欄閉じないでね。頼むからそういう嫌がらせはやめてね。
 
以下、「テセウスの船」を軽く説明。
主人公の竹内涼真30歳(31歳かも)は、父親の鈴木亮平が無差別大量殺人犯だとされていて、不幸な人生を送っています。家族全体でいろいろ嫌がらせも受けてます。鈴木亮平は無罪を主張してて、30年間ムショで戦ってます。
突然、竹内涼真は自分が生まれた年にタイムスリップしてしまいます。
竹内涼真は過去の大量殺人事件を止められるのか!
 
第一話はこんな感じでした。
 
私、SFやファンタジーが好きなので、タイムスリップ物は今まで色々見たり読んだりしてきました。まあ大概は、過去を変えて未来を良くしようとするとロクなことになりません。
テセウスの船」のことは知りませんよ。でも大概、未来はもっと悪くなっちゃう。
タイムスリップして過去を変えてハッピーエンドになる作品って、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ぐらいのもんじゃない?
※こういう古典とも言える作品はネタバレに入りませんよね?
 
タイムスリップで過去を変えようとしてもロクなことにならないのは何故か、理由を考えてみた。
 
タイムスリップで過去を変えようとする作品って、そもそも現状が悲惨じゃないですか。悲惨っていうか悲愴。
基本、シリアス物なんですよ。
そういうトーンなのに、過去を変えた→未来が良くなった→わーい!
ってなります?ならんでしょう?なったらバランスが悪い。

シリアス路線のまま行かないといけないんです。観客をも苦しませないといけないんです。たとえハッピーエンドになったとしても、どこかに影やしこりを残さないといけないんですよ。

シリアスドラマの主人公は、ドラマ全体がシリアスであるが故に、そうそう幸せにはなれないんです。ときには、周りのみんなを幸せにして自分だけ犠牲になっちゃうこともある。
 
バック・トゥ・ザ・フューチャー」はそんな悲愴な作品じゃないからね。だからハッピーエンドが許されるんです。
「うちの父さんも母さんも真面目すぎてほんっとつまんない奴らだよ!過去行って変えたれ!」みたいなノリじゃなかったっけ、1作目。色々あった挙げ句、父さんも母さんもかっこよくなってハッピーエンド。
 
まあ、この結末にも引っかかりはあるよね。
つまんない父さん母さんが、別人のようにイケてる人種になったわけだけど、主人公はそれを本当に心から父さん母さんと見なせるんだろうか。
見なせてたみたいだな。だからこそのハッピーエンドなんだろうし。
でもそのイケてる父さん母さんは、本当に主人公の父さん母さんと言えるんだろうか?
  
はい「テセウスの船(寓話)」ーー。
テセウスの船ーー(ドラマのネタバレはありません)。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%BB%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%88%B9
 これは要するにアレよ。「30年間巨人ファン」って言ってる人いるけど、30年前の巨人と今の巨人では選手も監督も誰一人として同じ人はいないけど、それでも巨人なの?っていう哲学的な問いですね。

ドラマ「テセウスの船」、これからも純粋に楽しもうと思います。