王様ホール

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「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」~映画感想

小1息子、最近は恐竜ブームだ。
少し前に金曜ロードショーでやっていた「ジュラシック・ワールド」を観て以来、ハマっている。

先日、映画「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を観てきた。公開されてからわりと経ってるので、観られるうちに観ようと思い、息子とついでに娘を連れて、少々遠い映画館へGo!

つまんなかったら寝ちゃおうと思ったけど、なかなか面白くて、気づけば私も夢中になって観ていた。
映像が凄いよ。本当に恐竜がいるみたい。恐竜の動きとか存在感が凄かった。
※小学生並みの感想。

我々は無論、本物の恐竜を見たことはないし、本物の恐竜の動きなど知る由もないが、あまり違和感なく「もしいたらこんなんだろうな」と思った。
ちょっとだけ疑問に思ったとすれば、竜脚類って言えばいいのかな、ブラキオサウルスとかアパトサウルスとかあのへんの、巨大で首が長くて四本足で歩くやつ。あいつらが首を伸ばして高いところの葉っぱを食べてた描写で「ちょっと違わない?大丈夫?」と思った。
でもそのくらいの違和感で済んだ。

全体通して、かなりのリアルさがあったと思う。
いや、ストーリーはあんまり評価してない。ご都合主義もいいとこで、はいはい人間は矮小で愚かでちゅねーって感じで、やっぱハリウッド映画は頭使わないで観られるから楽だなーと思った。それもそれで嫌いじゃない。むしろ好き。

では何がリアルだったかというと、今作は、前作までの流れで、パークが崩壊してパークから出ちゃった恐竜(及び古代の爬虫類・以下便宜的にまとめて「恐竜」と表す)がそのへんで繁殖し、人間の生活圏で恐竜による被害が問題になっている世界なのである。鉄塔の上に翼竜が巣を作ってたり、パラサウロロフスが荒野を走り回ってたり、海でモササウルスっぽいやつに船が襲われたり、砂浜を歩いてる人が翼竜に襲われたりしてる、そういうやつ。我々で言うところの、サルやカラスやクマやシャチの被害みたいなやつ。
「ありそうだな」ってやつ。世界観がきっちり構成されてるやつ。そういう意味でリアリティがあると感じた。そこは大いに評価した。

映画を観ながら、「シン・ゴジラ」と「名探偵ピカチュウ」のことを思い出した。私の中で、この2つの映画と「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」が関連付けられた。
※「ジュラシック」シリーズの今までの作品をちゃんと観ていないので、今までのがどれほどの出来だったのかは知らない。そして、ちゃんと観ていないので関連付けられない。

まず「シン・ゴジラ」の方。

私は「シン・ゴジラ」を観たとき、「すっげえリアルだな」と思った。またもや小学生並みの感想。
突然巨大な怪物がやって来たとき政府や自衛隊はどうするかなという部分を、めちゃくちゃ緻密にリアルに描いている作品だと思った。
あれは怪獣映画ではない。いや、怪獣映画好きな人ももちろん楽しめると思うが、主題は「未曽有の脅威vs人間社会」だと感じた。
私は、「シン・ゴジラ」におけるゴジラは天災の象徴だと感じた。天災(地震津波、台風……)は、我々の意図とは関係なく発生し、無意味に襲ってくる。
もちろん、ゴジラというのは核実験の放射能で突然変異した生物だという説は私も理解している。そういう意味では人災の側面も多少ある。
が、一旦誕生してしまったゴジラがなぜ東京に上陸したのかといえば、「たまたまじゃね?」と思う。たまたま通り道に東京湾があったのでは?と思う。そっちの意味では天災だ。ゴジラは終始、制御不能な存在として描かれていた。
……理由、なんかありましたっけ。だいぶ前に観たっきりなので、忘れてます。

一方、「ジュラシック」の方の恐竜たちは、同じく制御不能の生物ではあるが、人災の象徴であるかもしれない。この世界の恐竜たちは、琥珀の中の生物から採取したDNAを解析・培養して、DNAが破損してるところは何か別の生物のDNAを入れ込んで修復した、100%自然のものとはいえない恐竜たちなのである。間違ってたらごめん。なんか聞いたことあったからそう思ってたけど、間違ってたらごめん。
そうやって人間が人工的に作った恐竜たちを制御できなくて人間が災難に遭ってるところは、「人間の過ち」「人間の身から出た錆」みたいに感じた。
もしかしたら、人間が神の領域に踏み込んでしまった罰という意味もあるかなと考えたけど、そこまでは読み取れなかったし、それは私の拡大解釈というやつである。

日本の災害:理由はない
ハリウッドの災害:何らかの過ちによって下される罰

みたいな図式が描けたら気持ちいいんだけど、必ずしもそうではないよね。
本当は両映画の結末について言いたいことがあるんだけど、ネタバレになるので言いません。


そして「名探偵ピカチュウ」との対比。

私、「名探偵ピカチュウ」をかなり高く評価している。「もしポケモンが人間社会に当たり前に生息していたらの世界」の描き方がめちゃくちゃリアルなのだ。
外国で作られた映画だけど、作った人は本当にポケモン及びその世界が大好きであることが伝わってきた。ものすごいポケモン愛を感じた。
「お前彼女作んねーの?」ぐらいのノリで「お前パートナーポケモン作んねーの?」っていう会話が繰り広げられる。

どんな荒唐無稽な設定でも、その世界の「当たり前」が一貫性を持って描かれてあれば、私は納得します。
「名探偵ピカチュウ」は、ポケモンが人間社会に当たり前に存在する世界を、リアリティを持って描いていました。野生の鳥ポケモンピジョンか何か)が普通に町の上空を飛んでたり、電線の上でエイパムが騒いでたり。「本当にポケモンいたらあんな風だろうな」と素直に受け入れられました。

それと同じくらい、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」で恐竜がそのへんに普通に生息してる世界も、違和感なくリアリティを感じられたんですよ。「恐竜いたらこうだろうな」と。

感想は以上だ。


この映画、長い。2時間27分ある。
息子が飽きずに最後まで観られるか、途中で「もう帰る」って言われないかどうか、とても心配だった。
結果、途中で何回か「あと何分で終わるの?(小声)」って聞かれたけど、最後までちゃんと観ることができた。偉いぞ息子。成長したなあ。帰ってからつまらないことでこっぴどく怒られて楽しい一日が台無しになったみたいだけど、帰るまでは本当に良かった。

息子は恐竜のことを日々おべんきょうしているので、出てくる恐竜出てくる恐竜、だいたい名前がわかったようだ。「テリジノ(サウルス)だ!」「あれディメトロドンかな……」「ピロラプトルだ!」などと、そんな大きい声でもないけど、上映中につい言ってしまっていた。ピロラプトルわかるの凄いな。私は知らなかった。でも応援上映じゃないので、上映中は基本的にしゃべっちゃダメだ。
そんな中、一番「おいおい」と思ったのは、バイオシン社でちょい悪オヤジみたいな博士が講演してるとき、その声を聴いた息子が「鶴見中尉!」って言ったときでした。
CV.大塚芳忠

ゴールデンカムイも嗜む小学1年生。岩息舞治が好きみたいです。