娘が赤ちゃん時代、つまり10年以上前から、生協の個人宅配を利用している。
毎週配達されるカタログから買いたいものを選んで注文すると、翌週品物が配達されてくるという仕組みだ。
カタログを10年見続けていると、この10年の間に色々な変化があることがわかる。
物価が上がった。
肉が高くなったり、冷凍食品の入目が減った。生協で買うものと普通のスーパーで買うものの顔ぶれが少し変わった。
冷凍食品の調理方法が変わってきた。
昔は「解凍してから焼く」「揚げる」が多かったのに、今は「レンジ」が多い。
そして、ベビー及びキッズ向け食品のコーナーが1~2年前から大幅に増量された。
私が生協を利用し始めた頃はカタログのすみっこにひっそりと「ベビーフードも一応売ってるんですよ~」ぐらいの感じで掲載されてたのに、今はカタログ2ページが丸々、ベビー及びキッズ向け特集になっている。こどもにやさしい世の中、嬉しいね。もう我が家には必要ないの、悲しいね。
もう5~6年早かったら良かったね。
いや、本当はそんなことない。
我が家の娘&息子は、おっぱい大好きすぎて離乳食をぜんっっっっっっっっっっっぜん食べないお子様たちだったのだ。
生協のカタログもそうだけど、スーパーやらベビー用品店やらに行くと、いろんなメーカーが作った、いろんな月齢に合わせたいろんな料理のベビーフードが、色とりどりに棚をびっしり埋め尽くしている。それを見るにつけ、私は、「いいなあ、こういうのを最大限利用してみたかったなあ」と思うのだ。
「チキンと野菜のリゾット」だの、「かぼちゃのグラタン」だの、「お出かけランチセット(和風及び洋風)」だの、企業が一生懸命開発した美味しそうなベビーフードがいーーーっぱいあるじゃないですか。なのに、うちの子たち、どれ一つとしてまともに食べなかったんですよ。
手作りにすればいいという問題でもありません。手作りも同じくらい食べなかったっす。
よく育児書に「手作りした離乳食を食べてくれないのは悲しいですね、市販のベビーフードなら、もし食べてくれなかったとしても精神的ダメージが少ないのでは?」みたいなこと書いてあったんですけど、私の意見は違います。どちらも等しく食べてくれないのであれば、金出して買った市販のベビーフードより手作り離乳食の方が安上がりなんだから、どうせ廃棄するなら手作りの方が精神的ダメージが少なかったです。よって、離乳食はほとんど手作りし、そのほとんどがゴミ箱に消えました。
心折れるて。
ノイローゼ寸前まで行った。
子どもたちは、保育園で給食を食べるようになってから、少しずつものを食べるようになりました。
初めのうち(1歳代)は、帰ってくるなりおっぱいおっぱいで、夕方の離乳食はちーっとも食べませんでした。
栄養のためにはおっぱいを飲ませた方がいいけど、おっぱいに頼ると離乳はいっこうに進まない。おっぱいをやめたら離乳食を食べるようになると言われてるけど、もし食べなかったら……?
このジレンマに陥り、めちゃくちゃ悩みました。
幸いなことに、今では娘は身長155cmのむっちり系小学6年生に成長し、息子も何でも美味しく食べられる元気な小学1年生に成長しました。息子の最近のトレンドは「野菜」だそうです。
だから、離乳食を食べないなんていう悩みは、最終的には取るに足らないことです。
でも、その時期に悩んでいるお母さんが本気で悩んでることは本当によくわかります。「最終的な将来のことはわかったよ、今どうすればいいのか教えてくれよ!悩んでるのは今なんだよ!」と、当時の私は思っていました。
それをわかった上で言う。なんとかなる、と。
こんなアドバイスしたら、何の解決にもならなくてがっかりされるやつですね。でもこれしかないの。
そんなこんなあって、私は未だに、イオンとかでベビーフードのコーナーにふらっと立ち寄って、じっくり見てしまいます。
「いっぱい美味しそうなのあるなあ」「これ、当時の子たちが食べてくれたなら、次はどれにしようとか言いながら、なんぼでも買ってあげるのになあ」「ベビーフードをぱくぱく食べる子に、ぱくぱく食べさせてみたいなあ」「こんなにメーカーが努力して作ってるのに、私と子どもがその恩恵を受けられないなんて不憫だ(謎)」
そんなことを思います。
子どもたちが今元気ですくすく育ってるから、所詮は無いものねだりのI want youです(C-C-B)。
利用できる環境の人は最大限利用するといいですよ、ベビーフード。でないと私が可哀想だ(えっ