王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

手作りクッキーの想い出を求めて

どこも行かないお盆休み、子どもたちとクッキーを作った。
 
クッキーに限っては、自分の家で作ったのが一番美味しいと思っている。
※昨今、惣菜のポテトサラダだとか冷凍餃子だとか唐揚げ(唐揚げ!?)が手抜きか否かで一部界隈が盛り上がっておりますが、そういう論点の手作りクッキー論じゃないです。好みの問題です。

私が食べたいクッキーは、「小麦粉・バター・砂糖・卵黄」でできた純粋極まりないクッキーだ。
故に、クッキーは好物であるが、普通のスーパー等には私の納得の行くクッキーがあまり売っていないので、滅多に買わない。
イギリスの赤いチェックのショートブレッドは買う。なぜなら原料が「小麦粉・バター・砂糖・塩」だからだ。ブルボンの「ルーベラ」も、バターの味がちゃんとするから好きだ。

原体験は、母の手作りクッキーだ。
母はお菓子作りが好きで、よくお菓子を作っていた。

母がお菓子を作るのに使っていた本は、その名も「お菓子の本」という、昭和の古い本だった。私が子どものとき既に「古い本だなあ」と思っていたくらい、相当古い本だ。カバーは取れてしまっていたので、本来の装丁もわからない。故に、検索しても正解がわからない。絶版かもしれない。昔の、さしさわりのないお菓子のレシピ本だからな。
それにしても何なんだ「お菓子の本」って漠然としたタイトル。検索避けか。

母と一緒によく作ったものだ。最初は型抜きが楽しくてやらせてもらっていた。やがて、生地から自分で作れるようになった。

その想い出の味を追い求めて、色々なレシピを参考にして(ごくたまに)クッキーを作っている。
そのどれもが違うのだ。

よく「お菓子はレシピの分量通りに作れ、分量を守らないと失敗する」という意見を聞くんだけど、同じクッキーでもレシピ本によって分量が違う。だから「分量通りにやらないと失敗する」という意見には懐疑的な私である。
 
話が逸れたが、今回は無難に、オーブンレンジの説明書に載っていたなんだかぼんやりしたレシピで作ろうとした。しかし、新しい可愛い抜き型を開けようとしたところ、裏にクッキーのレシピが書いてあった。
分量を見たところ、バター比率が多めで、全卵でなく卵黄を使うレシピだった。
一緒に準備していた娘に「こっちのレシピの方がうめぇ!絶対!」と言って、それを作ることになりました。
 
そんで作ってみたら、生地がゆるっゆる。絞り出しクッキーに丁度いい感じ。途中で気付いたんだから、粉でも足せば良かったのかな。
卵黄が多かったのかもしれない。うちの卵はMサイズじゃなく、安いミックスサイズ卵なのだ。今回使った卵黄は大きかった。だから添加量を減らすべきだったのだ。
この試行錯誤、私の科学系おしごとと大いに共通している。やっぱり料理は科学なのだ。
 
生地がゆるっゆるなので、型抜きがしにくいことしにくいこと。
コールドストーンアイスの-30℃?の石板が欲しかった。あれの上だったらサクサク型抜きできたわ。
あとその他、ベーキングパウダーはいらないかもしれない。
 
それでも私の好みに近い味の、サクッとしたクッキーができた。サクッとするのは分量じゃなくて混ぜ方だけどな。切り混ぜずに練ってしまうと、グルテンが繋がってしまうので、腰のあるフガフガしたクッキーになってしまう。
 
課題は見えた。
いつになることやらわからないが、次はもっと上手くやる。
ごちそうさまでした。