王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

母に騙されていたこととか

先月、shortnote運営の方でもありオモコロライターでもあらせられる宇内さんが書いた広辞苑バトン第80回。
https://www.shortnote.jp/view/notes/AGsC0OLb

これに関連して、と言えばタイミングは少し遅いんですが、こういうような、でも微妙にニュアンスの違うことを3つ書きます。たまたま今日思い出したんだからしょうがない。

母はエスカレーターのことを「エスカ」と略していました。商業施設に行って上の階に行きたいときは「エスカ乗ってこ」って普通に言ってた。
あまりにも自然だったので、後年友達に「エスカで行こうか」って言って「は?」って言われたときの衝撃は忘れられません。
エスカって言わないんですね、一般的には。
 
2つめ。

歴史的に豚肉文化の東日本・北日本では、牛肉を嫌う年配者が多いです。北海道の母も父も祖父母も、もれなく牛肉を好まなかった。だからうちではほとんど牛肉を食べたことがありませんでした。
家で食べるしゃぶしゃぶは、豚とラムでした。北海道のしゃぶしゃぶはラム肉+ごまだれ。覚えておきましょう。しゃぶしゃぶ用スライスのラム肉がスーパーやお肉屋さんでちゃんと売られています。

しばらくはこの点に何の疑問も感じなかったのですが、自分はどうやら牛肉もいけるらしい・牛肉は美味しいことに気づいた小学4年辺りで、母に「しゃぶしゃぶって牛肉でやらないの?」と聞きました。母は「普通ラムか豚だよ」と言いました。私は「ふーん」と思いました。

東北地方の大学に進学し、そういえば内地ではジンギスカン及びラム肉をあんまり食べないことを思い出しました。まだジンギスカンブームの前でしたし。
サークルの友達(東北人)に「こっちではしゃぶしゃぶの肉って何なの?やっぱ豚なの?」と聞いてみたところ、「普通は牛だよ」との答えが。
なんと!
ラムは普通じゃないんだろうなとは薄々感づいてたけど、普通が牛だったとは。しかも東北地方で。
カルチャーショックというか、母(及び家族)の牛肉好きじゃないっぷりを再認識し、うちが世間のセンターから外れたところに位置していることを認識すらしていなかったことにショックを受けたできごとでした。自立するまでは、親って絶対だよね。ね。
牛肉は嫌いなくせにラムは大丈夫なんだ、あっちの方がクセあるじゃん、と思ったあなた。そうです。が、豚にだって鶏にだってクセはあります。要は慣れの問題。生肉に抵抗がある日本人はまだまだ多いけど、生魚は平気で食うっしょ?魚の方が生臭いから。絶対。
そういうことです。

3つめ。

目出し帽ってあるじゃないですか。よく強盗が覆面としてかぶってるやつ。
こういうの。

これをかぶった子を、母は「デストロイヤー」って呼んでました。
理由は、ある程度以上の年齢の方ならご存知の覆面レスラー、ザ・デストロイヤーがこういうのをかぶっていたからです。デストロイヤーは白地に赤の縁取りかな。

雪国なので、冬になるとそこらじゅうで雪遊びをしている子どもたちがいました。目出し帽の子は激レアだったけど、母は目出し帽の子を指して「デストロイヤーだ」って言いました。
 
だから私は勘違いして、あの目出し帽を「デストロイヤー」って言うんだと思っていたのです。母は「デストロイヤーの覆面みたいな目出し帽をかぶってる子」を「デストロイヤー」って言ってたのに、私はその「目出し帽」自体を「デストロイヤー」って言うと思ってたんです。

これはどういうきっかけで誤解が解けたのか覚えていません。なんとなく目出し帽の名前はデストロイヤーじゃねえなって気づいたのかもしれません。
これに関しては私の勘違いです。が、母が「デストロイヤー」なんて単語を出さなかったら私も勘違いしなかっただろうな。

今まで常識だと思ってたことが覆る体験、もうあんまりないなー。
あ、今思ったけど、長いから1つずつ3回に渡って書けば良かったかも。
まあいいや。