王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

PTA役員のこと その2~地元民という存在

その1(前編)はこちら

yamakinkin.hatenablog.com

前回の引きが「田舎が嫌いなんじゃない、地元が嫌いなんだ」だったので、その理由の説明です。
前回の名簿の話とは関係ありません。ごめんなさい。
 
さて、今年度PTA役員を引き受けてしまった私ですが、役員のうち男性2人が同級生だそうで、お互いに下の名前で呼び合っていました。
 
同級生かあ……。
この町で生まれ育って、地元に就職して、結婚して子どもを持って、たまたま同時にPTA活動をしていらっしゃるのだな。
子ども時代の同級生や先輩・後輩と共に成長して、お互いに変わったところや変わらないところも色々目にして、折々に昔のことを思い出したりしてるのだろうな(想像ですが)。
 
なんかちょっと羨ましくなった。
私にはそういうの無いから。

私は、小6と中2という人格形成に大きな影響を及ぼす時期にそれぞれ転校して、高校は親元を離れてちょっと都市の学校に進学して、大学は更に遠くへ、就職先はもっと遠くへ、という経歴だから、「一緒に成長した昔の友達」がいないんです。

地元に戻ろうとか考えたこともない。あの町には未来がない。若者が働ける産業がない。官公庁か個人商店か漁業しかない(さすがにそれは大袈裟)。

地元民はみんな知り合いで、近所の男子中学生に彼女でもできようものなら「◯◯くんが△△さんちの娘さんと腕組んで歩いてたよ。"目覚めた"ね。」などと大人に噂されてしまうようなお土地柄。ちなみにこれ言ってたのはうちの叔母。嫌い。
私の祖父は自営業で、町の多くの人と顔見知りだ。私の同級生の名前とだいたいの住所を言うだけで、親の名前や仕事を当てることができる。

私は子ども心にそういうのが凄く嫌だった。他人の干渉が嫌いなので。

田舎にプライバシーなどというものは存在しない。田舎にはロクな娯楽がないし目新しい物もないから、他人のゴシップ話が唯一の娯楽なのである。
田舎の情報伝達速度は凄まじい。他にすることないからな。IT革命以前から高度情報化社会だ。
 
一旦外に出てしまった私は、田舎=地元の嫌な面を外から見ることができてしまったがために、もう二度と戻りたくないと思った。
たまに遊びに行くならいい。でも住むのはご免だ。
 
今住んでるところは、私の地元よりかなりマシだが田舎町である。
しかし私は余所者なので、田舎のコミュニティには参加資格がない。新興住宅地でご近所さんもどこかからの転入者なので、地域のしがらみもない。
だから、田舎だけどここは住みやすくて好きだ。田舎≠地元なのだ。
 
子どもたちにとっては、ここが地元になる。
私としては、できれば高校を卒業したら町の外に出て独り暮らしを経験して欲しい。
そして、更に広い世界に出たければ出てもいいし、地元に戻りたければそれもいいだろう。
地元しか知らないままでは人生もったいないよ。
 
私がそうだったから今までそういう持論で生きてました。しかし、地元で生きてきた同級生どうしのPTA役員さんを見てたら、地元密着も案外楽しそうだなと思ったんです。
 
どうかなー。正解はないからどっちでもいいんだろうけど、やっぱ私は地元から一度離れるのを推奨したいかなー。
ぼんやりしたまま完結する。