王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

書写

小学生娘が県の「かきぞめ展」に提出したかきぞめが、特選に入った。
いや、特選といっても「特選」「金賞」「銀賞」の3グループの中の一番上というだけで、1クラス当たり5人くらい選ばれるやつだ。
それでも私は娘の頑張りを評価したい。あと、私の指導もな!!

すみません。自慢話ではないんです。
私の過去の失敗を娘に味わわせたくなかった話なんです。
 
まず、小学生の「習字」?「書写」?まあ「書写」としましょう。
これは決して「書道」ではないのです。個性的な美しさは必要ないんです。
お手本の文字の形に、いかにそっくり近づけて書くか。それが最も重要なポイントです。とめ、はね、はらい等の筆使いや、線と線の間隔、全体的な形などです。
あとは、「子どもらしい元気さ」なんかもポイントになるかもしれませんね。太い線で書いたり、はらい部分がかすれていると、「元気が良くて子どもらしい、大人受けする子どもみ」が出るもんです。

すみません、私、学校教育に対して相当ひねくれた感情を持ってます。
それは今置いといて。

子ども時代の私は、「書写」の意味が全くわかっていませんでした。
小学生時代の6年間、書道教室に通っていたのに、全く上手くなりませんでした。
何をすればいいのか、意味がわかってなかったから。

書写の「お手本」というのは、字を間違えないために置いてあるのだと思っていました。
「字なんか間違えないよ」と思って、私は半紙に毛筆で自己流の下手くそな字をただ書いていただけだったのです。6年間。無駄な時間を過ごしていました。

私が「書写というのはお手本の字の形を真似して書くことなのだ」と気づかされたのは、高校生になってからでした。
 
高校時代の友達が気まぐれで書写やってみたやつが、彼女の部屋の洗濯ロープに吊るしてあったんです。
私が「うまいね」と言うと、彼女は「そう。昔から、左のものを右に写して書くのとかすっごい上手かったんだ」って言ってました。

ん?左のものを右に?
どゆこと?

左のものを真似して書くっていうこと?
もしや、書写っていうのは、お手本の字の「形」を真似するものだったのか?
お手本というのは、この字の「形」を目指す目標なのか?

そうだとしたら、私が書道教室で書いていたものは何だ?
小学生時代6年間、私は何をやっていたのだ?
私の親が書道教室に払っていた月謝、全てが無駄?

無?

無とはいったい……うごごご!
※どっかのラスボスが言ってた。
 
なんていうんだろう。カルチャーショック?パラダイムシフト?革命?地殻変動コペルニクス的転回?←どれも違う。

そのくらいのことが私の心に起こったわけさ。
 
みんな知ってたの?書写が「お手本の字の形を真似すること」だって。私は知らなかった。
教えられなくても知ってるものなの?それとも親か先生に教えてもらったの?
もしかして、知らなかったの私だけ?
 
そういう気づきが、娘へのスパルタ指導(大袈裟)に繋がった。
娘には、とにかく、お手本に記されている「形」「バランス」を重視してもらった。
 
その結果が特選だ。頑張ったね娘!
はね、とめ、はらい等は私が特に何も言わなくてもちゃんとできてたし、もともと線は太かったから、そのへんは言うことなかった。
よくできました。
 
娘は気を良くし、「来年も指導よろしくね」って言ってくれた。気を良くしたあまり、自慢気な発言が目立つようになったが、ハイハイと聞いてやろう。
あいつすぐ調子乗るんですよー。私にそっくりだ。
 
余談だが、娘のクラスメイトに、何事も一生懸命やらない男子がいる。そいつはかきぞめ展も母親に書いてもらったそうだ。
そいつは特選でなく金賞だったそうだが、「母親が息子の字に似せてあんまり上手くならないように書いた」とのことだ。

その男子の将来とかは私にとってはどうでもいいんだけど、母親、力入れるとこが違いませんか?