王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

これが……夏バテ?

私の出身地・北海道沿岸部は、日本でも指折りの冷涼な気候で知られている。
小学校の先生が「このへんは日本一住みやすい気候だ」と言っていたものだが、それは絶対違う。夏は30℃未満、冬でも-10℃まで下がることは滅多にないという一見住みやすそうな気温だが、風が強すぎる。冬は地吹雪が凄い。あと、潮風で公園の遊具や自動車がすぐ錆びる。
日本一住みやすいわけがない。
 
いきなり主題から逸れてしまったが、まあ気温「だけ」見れば、確かに穏やかだ。沿岸部はどこでもそうだが、夏冬・昼夜の気温差が小さくて体に優しい。
今は30℃を超えることも珍しくなくなったが、昔は30℃を超えただけで「暑い」「暑い」と大騒ぎしていた。
当然、エアコンは無い。必要なかった。
 
そんな地域で生まれ育った私が、大学進学のため、某県の内陸部に引っ越した。
どの方向を見ても遠くに山が見えた。そう、いわゆる盆地ってやつだ。海がない。直感的に「逃げ道がない」という圧迫感に囚われた。閉所恐怖症の広いやつ(謎)。

盆地は酷い。夏は暑くて冬寒い。
冬の寒さは、腐っても北海道出身の私には何とかなった。水道管凍結防止の水抜きだって知識は持ってた。けど、夜12時に水道が大丈夫だったのに、ついうっかりして水抜きを忘れ、夜中2時に確認したとき凍ってたのはびっくりしたなあ。「たった2時間で!」ってなった。
 
問題は夏の暑さだった。その地で初めての夏は非常に堪えた。
気温36℃て。
体温と同じくらいの気温というものを初めて体験した。窓を開けても外に出てもとにかく暑い。扇風機を回すも、熱い風をかき回すだけで全く効果はない。
学生向け安アパートのため、エアコンなど設置されていなかった。おまけに西日が凄かった。
暑さが酷い日は水風呂に入って乗り切った。
 
初めて「そうめんくらいしか食べたくない」状態を体験した。私が食欲を失うなんて、これはかなりヤバいステータス異常である。
もしかして、これが夏バテっていうやつ……?初めての夏バテ?
 
そんな経験を経て、私は暑さに強くなりました。
実家に帰って、家族が「今日32℃だって!」「暑い!」と大騒ぎしていても、私だけは平気です。学生時代に住んでいた所も、今住んでいる所も、35℃超えが珍しくない内陸部だからね。
 
でも今はエアコンに頼りきってる。エアコン無いと死ぬ。
実家は今でもエアコンが無いので、実家に帰省すると却って暑い。
今年は新型コロナウイルスの影響で帰省を断念したけど、帰ってたら逆に暑さでやられてたかもしれない。
実家、エアコンつける気ないのかなぁ……。