娘は吹奏楽部に入りました。
私が吹奏楽経験者なので、なんとなく勧めました。
田舎の中学校であるため、必ず何かの部活に入らなければなりません。娘は私に似てスポーツが苦手だし、他にロクな文化部がなかったので、なんとなくで吹奏楽部に入りました。
以前から、娘と一緒に、日曜夜にN響アワーを観たり、YouTubeで吹奏楽の動画を観たりしていました。そして、楽器の解説や各楽器の魅力、各楽器別性格あるある(※)等を娘に説き聞かせておりました。
私は、トランペットやクラリネット、フルートのような高音/主旋律系の楽器よりも、ホルンやユーフォニウムのような中低音系の楽器が好きです。木管より金管派。木管ならオーボエやファゴットのようなダブルリード系がいいな。コントラバスも渋くて好きだなあ。
そんな私の影響を受け、娘はホルン辺りを希望していました。
正式入部後、「楽器決まったよー」という娘に「おー、何になった?」と聞いたら
「バスクラリネット。」
私の第一声:「はぁ?バスクラぁ?」
解説:バスクラリネット、略してバスクラは、クラリネットの長くて太いやつです。長いので途中で曲がっています。上と下の方が金属製で、かっこいいです。低い音が出ます。
私は好きです。木管低音、渋いです。
おそらく、吹奏楽や管弦楽のファンや経験者や関係者でない人は、名前を聞いたことすらないかもしれません。メジャーかマイナーかで言ったらマイナーな方です。なのに「いらすとや」にはちゃんとイラストがある。きっとあるって信じてたよ!
さて、娘がバスクラ担当になったという話を聞いて私が「はぁ?」と言ったのは、「トランペットの人数すら足りないくらいの田舎の小編成のバンドで、なぜバスクラ?」という意味です。ほんと、なぜバスクラ?木管低音ならバリサク(バリトンサックス)も既にちゃんといるのに。
その後、「バスクラかぁ……」「いいねえ。かっこいいよ。私は好きだよ。」「渋いね。」「いいよ、バスクラ。全体の音に深みが加わるよ。」「バリサクとはまた違う音がして、いいよ。」「渋いなぁ。」「(娘)にぴったり。」と、独り言のようにバスクラの感想を娘に述べました。
ちなみに、「娘は渋い」というのは我が家の鉄板ネタとなっています。娘は、服とか雑貨を選ばせると、めっちゃ落ち着いたデザインのを選びます。小学校低学年くらいから既に渋かったです。
バスクラリネットは、そんな渋い娘にぴったりの楽器、ぴったりのポジションです。顧問の先生、「この子はバスクラ向きだな」って思ったのかな。肺活量あるみたいだし。
尚、娘が「バスクラリネットってどんな楽器かな」と調べてみたところ、某知恵袋に「アルトサックスをやりたくて吹奏楽部に入った娘がバスクラリネットになったと言って泣きながら帰ってきた、誰か娘にバスクラの魅力を教えて下さいオナシャス」という質問があったそうだ。
泣くなよwバスクラが悲しむだろ。
まあでも、アルトサックスをやりたいような陽キャちゃんだったら、先生に「君はバスクラね」って言われたら凹むかもしれないな。バスクラはそのくらい地味で落ち着いた楽器。
うちの娘はそんなバスクラをめっちゃ気に入ったみたいです。渋いからな。
部活で練習をしては「今日は高い音が出るようになった」と喜んだり、お手入れ用品やマイ教則本を買って喜んだりしています。
浮かれております。すっかり浮かれポンチです。
いいなあ楽しそうで。
お母さんも娘が楽しそうで嬉しいよ。マジで。
でも一番喜んでるのは、なぜかこんなに気に入ってもらえているバスクラさん本体かもしれない。
(※)各楽器別性格あるあるについて
楽器の性質と演奏者の性格には相性があり、向き不向きがあるよ!気になる人は調べてみてね!
私の主観:トランペットは目立ちたがり屋、クラリネットは女集団の典型(なお男子を入れると改善される模様)、サックスは陽キャ集団、ホルンは地味だけど陰の目立ちたがり屋、オーボエは天才肌。そして、低音でデカい楽器ほど人間関係が平和。
バスクラはクラリネットの仲間だけどバリトンサックスやファゴット辺りと横のつながりもあって、クラの中では平和なイメージかな。その点でも安心だよ。