王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

自家製発酵食品拒否症

漬物が苦手かもしれない。
 
正確に言うと、「家で漬けられた漬物」が苦手だ。
工場で作られてパッケージされてお店で売っている漬物は大丈夫だ。あれは万民の舌に合わせて作ってあり、変な味がしないから、美味しく食べられる。
 
家で漬けられた漬物の、独特の発酵臭が苦手だ。よって、自家製でも浅漬けなら大丈夫だ。あれはサラダのようなものだと位置付けている。
 
発酵と腐敗は紙一重
これ、私が考えた言葉かと思ってたんだけど、ぐぐったら出てきたので、業界(?)ではよく言われている言葉で、真実なのだろう。
発酵臭と腐敗臭の線引きがわからない。ゆえに、何らかの食品から、素材から想定される以外の匂いがしたとき、私はすごく警戒する。
 
なぜ私がこんなふうになってしまったのかというと、明確な原因がある。

私が子どもの頃、母が自家製味噌作りにチャレンジした。
出来上がった味噌は、表面にカビが生えていた。母は「カビ取ったら大丈夫でしょ」と言ってカビを取り除き、その味噌で味噌汁を作った。
味噌汁を一口食べた私は「ごふっ!」てなった。
あまりにカビ臭かったのだ。
以来、しばらく家の味噌汁が嫌いになり、一切手をつけなかった。買ってきた味噌で作ったという味噌汁でさえ、あの臭いがするような気がして怖かった。味噌はもともと発酵臭がするものだ。
給食の味噌汁は平気だった。
 
今でも、誰かが家で作った発酵食品が怖い。
調理師などの資格を持った人がお店で出すものは、それなりの衛生管理基準が守られているので安心できる。
工場で作られた加工食品も安心できる。
食品添加物とか素材の品質とかそういうものは、衛生管理と発酵状態の話とはまた別の問題である。
 
ところで、夫が最近、発酵など微生物方面にハマっている。
キャベツを発酵させてザワークラウトもどきを作ったり、カブを古漬けみたいにしたり、そういう酸っぱいのを次々と錬成している。
私は食べない。絶対に御免だ。そういえば私は酸っぱいもの自体あまり好きじゃない。
 
あと、発酵とはちょっと違うんだけど、冷やご飯にお店で買ってきた糀を混ぜて糀を増やし、自家製甘酒を作ってた。
そして私は甘酒も苦手だ。糀の香りもそうなんだけど、あのドロッとした食感がどうも好きになれない。
  
夫には、母の手作り味噌事件のせいで自家製発酵食品が怖くて、申し訳ないがどうしても食べたくない旨を伝えてある。

いつまで続くんだろう、夫のブーム。