王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

ゴムボート登校の夢

大雨とそれに伴う被害に遭われている方にとって少々不謹慎な話をするかもしれません。
一日も早い復旧をお祈りしております。


今回の話は、小学校低学年の頃に考えていたことなので、災害の深刻さ・復旧の困難さを知らない子どもの戯れ言だと思って下さい。

私は当時、テレビのニュースで洪水の被害を見ると、決まってこう思っていました。

「ゴムボートで学校に行ってみたいなあ」。
 
テレビには、大人の膝上くらいの高さまで水が溢れた街の様子が映っています。車が水をかき分けるようにして走っています。
ゴムボートに乗って移動する人の映像を見て、子どもの私はそれを楽しそうだと思ってしまったのですね。
 
たとえば私たちは、命にかかわらない軽度の災害;ちょっとした夜の停電くらいだと、非日常感をおぼえてワクワクしませんか?私はします。ローソクや懐中電灯の灯りで過ごすひとときは何だか楽しいです。
そのうち冷蔵庫の中身が心配になってきたり、いつまでも復旧しないと不安になったりして、「日常」の影が忍び寄って来るものですが。
 
子どもの私は、水があふれてゴムボートに乗って移動している人たちのことを、現実のこととして認識していなかったように思います。テレビの中のできごと。
ただでさえ子どもだから、大人の世界とは隔絶されていました。更に、田舎に住んでたから、テレビに出てくる人は現実に存在する人ではなくてテレビの中だけの人だと思ってたフシがあります。芸能人だけではなく、ニュース番組に映る一般市民も。
 
しかし、ゴムボートで学校に行ってみたかった世間知らずの子どもの私でも、すぐにある現実に気付いたのでした。
 
「学校、坂の上にある。どうやってボートで上ろう」。
 
なんということでしょう、私の通っていた小学校は、実家より標高が高かったのです。
坂という坂から水が流れてきて、ボートでは坂を上ることができません。そもそも坂の上には水が溜まらないことでしょう。
 
更に、
「うち、海の近くだから、水が溜まらない」。
 
私の実家は超がつくほど沿岸部で、うちの向かいは駐車場、その向こうは漁港、という立地です。海抜2~3mくらいのとこに住んでました。家から海が見えます。
低学年の頭で考えても、水が溜まりようがないんですよ。いくら大雨が降って道路が冠水したところで、全部近くの海に流れて行っておしまいです。
 
ゴムボートで登校、儚い夢だったな……。
 
大雨による冠水の被害はおそらく受けない代わりに、津波が来たら一発アウトな立地でございます。
 
日本に住んでる以上、何らかの災害に遭う可能性は極めて高いですね。ご先祖様はよくこんな島国に定住しましたよね。メシが旨かったからかな。米とか魚とかさー。
 
呑気なこと言ってないで、災害への備えは万全にしておきませんとね。