王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

フィンガーフード

夏休みのある日、私たち家族は全員で夜更かしをして、桃鉄大会をやった。
桃鉄とは「桃太郎電鉄」の略称で、プレイヤーが社長となって鉄道会社を運営し、日本各地の物件を買ってお金を稼ぐスゴロク的なコンピューターゲームである。ご存知ない方のために説明してみたけど、概要はこれで十分だろうか。
ちなみに、我々がやっていた桃鉄は、PS2の古いやつである。Switchの新しいのも買ったけど、まだやってない。 

その日は昼過ぎから桃鉄を始め、夕方になってもまだ盛り上がっていた。夕飯を作るのがめんどくさかったので、「おにぎりでも作って食べようか」ということになった。
ご飯をいっぱい炊いた。桃鉄を一旦中断して、娘の協力を得つつ、4種類のおにぎりを、沢山にぎった。
みんなでおにぎりを食べながら、私と夫は酒も飲みながら、下の子が寝落ちするまで桃鉄大会は続いた。
 
さて、話は変わりますが、むかーしむかしのイギリスに、カードゲーム(きっとトランプだね、マジック:ザ・ギャザリングとかポケカではないね)が大好きな貴族がいました。その人は食事の時間も惜しんでカードゲームをやりたかったので、やりながらでも食べられるような、パンに色々な具材を挟んだものをよく食べていたらしいです。
その人の名はサンドウィッチ伯爵。その人が食べていたものは、その名にちなんで「サンドウィッチ」と名付けられたそうな。
 
それでいくと、我々が桃鉄をやりながら食べていたおにぎりは、我々にちなんで「ヤマモト(仮)」という料理名がついてもいいんじゃないか。
中に具材を入れたご飯、または具材を混ぜ込んだご飯を、片手で持って食べられる大きさに成形した料理が「ヤマモト(仮)」である。
 
しかし残念ながら、私は伯爵ではなかった。
ある程度知名度のある人、今でいう芸能人とかセレブとかインフルエンサーが発信しないと、料理名に自分の名前はつかないもんですな。
 
 
……と、こういった文章を、今日はあらかじめ頭の中で完成させていました。
間違いがあってはいけないので、サンドウィッチの由来を調べてしまいました。
そしたら、私が書いたことは間違いだらけでした。
 
まず「サンドウィッチ伯爵」は名前ではありませんでした。サンドウィッチという地方の第4代伯爵であったジョン・モンタギュー伯爵、のことでした。サンドウィッチ伯ジョン・モンタギュー
彼は政治家で、多忙なため、実際にはカードゲーム(賭博)などやってる暇はなかっただろうとのことでした。

そして、サンドウィッチに類する食べ物はもっともっと古代からあったようでした。そりゃそうだろな。味の薄い炭水化物と、一緒に食べるものとがあったら、ドッキングしたくなるに決まってる。私が古代人でも、きっと自然にやってる。なんなら今、毎朝、トーストにおかず挟んで食ってる。娘に「なんでもパンに挟むねえ」って言われて、「挟むよ」って答えてる。
 
やー、興醒めしたわー。
現代では、知りたいと思った情報がすーぐ手に入っちゃう。発信する側だけでなく受信する側もいろんな情報がすぐ手に入るから、発信側は突っ込みが怖くて下手に間違ったこと言えない空気があるね。

やや息苦しい。
「私は伯爵ではなかった」の段落で終わりたかったな。