王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

ファンタジーな喩え話

彼女は歳を取らなかった。
 
全く歳を取らないということは無く、僅かずつ衰えてはいるのだろうが、彼女はいつまでも若く、透き通るように美しかった。 

彼女の最初の夫は、彼女よりも先に老化して、衰えてボロボロになり、亡くなってしまった。
次に迎えた夫も、その次の夫も、次第に衰え、必ず彼女より先に逝ってしまうのだった。
彼女はそれぞれの夫に全て等しく、優しく寄り添った。夫もそれぞれに、彼女を心から必要としていた。
 
彼女は思う。
自分の役目は、夫が一生を終えるまで側に寄り添って、夫の仕事を助けることなのだと。
何度夫が変わっても、自分の役目が変わることはない。
いつか自分の寿命が尽きるまでの、永遠とも言える間、何度も。何度でも。
繰り返し。繰り返し。
 
◇◇◇
 
彼女の名前は、フライパンのガラス蓋。
夫は、フッ素樹脂加工のフライパン。
 
フライパン本体だけ次々ダメになっちゃうんだけど、蓋は使えるから、フライパンの方だけどんどん世代交代が進んでいくんですよね。
今朝、ダメになったフライパンを燃えないゴミに出しました。
だいたい2~3年サイクルで買い換えてるかな。蓋は最初に買ったやつのまま。

その件を、私の心に住む永遠の中学二年生が、勝手にファンタジー物語に変換しました。
ここまでお付き合い頂きました優しい皆様、ありがとうございました。
 
男女入れ替えても楽しいかな。