王様ホール

考えたことや感じたことや起こったことを書きます。

話が出来すぎている。

毎年毎年、たけのこのアク抜きをする。
私はセオリー通りに米ぬかと唐辛子でやっているが、これで上手くいくことがわかると、原理を知りたくなる。悲しき化学系人間の性[saga]よ。

そしてさすがインターネット、調べると何でもわかる。

私の解釈では、
(※しばらく読み飛ばして頂いても構いません)

・アク≒エグ味の正体はシュウ酸とホモゲンチジン酸(すげえ名前の化合物!)。
・両方水に溶けやすいので、実は水で長時間煮るだけでもアクは抜ける。ただし旨味も抜ける。市販のたけのこ水煮が味気ないのはそのため。
・加熱でホモゲンチジン酸を失効させることができる。
アルカリ性の米ぬかは、ホモゲンチジン酸を中和する効果がある。重曹大根おろしでも同じ効果がある。
・シュウ酸はカルシウムと反応してシュウ酸カルシウムになると不溶性になり、エグ味を感じなくなる。米ぬかはカルシウムを含む。
・米ぬかの脂肪酸アミノ酸がたけのこの繊維を柔らかくして、アクを抜けやすくするのかも。

ほう。
色々な理由で米ぬかが適しているのですな。
 
夫が調べた情報によると、昆布やわかめのカルシウムもたけのこのシュウ酸に作用するそうだ。また、昆布やわかめの旨味が、たけのこのアクを感じさせないようにしてくれるらしい。

わかめとたけのこ。
と言えば、若竹煮。

昔の人、どうやって山のたけのことの海のわかめを一緒に煮ようと思ったのか知らないけど、「この組み合わせは美味いぞ」って後世に残ったものには、残るべくして残った理由がちゃんとあるんですね。
 
あと、シュウ酸といえばほうれん草のエグ味成分としても有名です。結石の原因にもなるので、ほうれん草はカルシウムを含むシラスやかつおぶしといっしょに食べた方がいいと言われています。ほうれん草のおひたしには、必ずと言っていいほど削り節が乗ってます。
単に旨味をプラスするだけでなく、昔の人は経験則で何か知ってたのかもしれませんね。
 
ん?待てよ?
かつおぶし。
シュウ酸。
たけのこ。

……土佐煮
 
たけのこの土佐煮ーーー!!
何これ。昔の人はやっぱり知ってたの?
シュウ酸をカルシウムと反応させることは知らなくても、ほうれん草やたけのこをかつおぶしと一緒に摂るとエグ味がなくなる上に結石もできなくなること、経験則で知ってたの?

話が出来すぎてない?
 
いやー感動したー。

昔の人がやってて現代まで残っていることには、科学的な裏付けがちゃんとあることが多いですね。「そういうことだったのか!」ってなる。
私は、こういうのが好きでたまりません。
 
キッズの皆さん(ここにはいないと思うけど)、お勉強はちゃんとしておこう。
将来、素朴な疑問をインターネットで調べたとき、学んだ知識が多ければ多いほど「そういうことかーー!!」ってなる確率が上がるぞ。
それが気持ちいいので、私はこれからも、一見ムダと思われる知識を蓄える。興味のままに蓄えていく。

面白いことが好きなんです。